GPUの時代 2017 7 17 Marine Day

「まさかゲーム部品がAIの主役になるなんて」
 GPUとは、パソコンのCPUと似ていますが、
全く別のものです。
CPUは、日本語に直せば、中央演算処理装置です。
 話せば長くなりますが、
順番に、時系列に書いていきます。
 パソコンで、計算やワープロをしている時は、
CPUで十分だったのです。
 ところが、パソコンでゲームや動画を楽しむようになると、
CPUに大きな負担がかかるようになったのです。
 そこで、CPUは、計算処理に専念して、
画像処理は、画像処理専門の半導体に担当させるようになったのです。
その半導体が、Graphics Processing Unit(GPU)です。
 昔は、パソコンでゲームや動画を楽しみたい愛好家は、
競い合うように、NVIDIAなどのGPU(グラフィック・ボード)を買い求めたものでした。
 一時期は、パソコン愛好家は、CPUの性能に熱狂していましたが、
そのうち、CPUではなく、GPUの性能に熱狂するようになったのです。
 強力なGPUがあれば、3Dゲームや動画が、
鮮明に、あるいは滑らかに表現できるからです。
 そういうわけで、いつの間にか、
パソコン愛好家の間では、CPUの時代から、GPUの時代になったのです。
 ところが、今や、AIコンピューターにも、
CPUではなく、GPUが使われるようになったのです。
 AIコンピューターでゲームをするのか。
いや、違います。
GPUがAIコンピューターに最適だとわかったのです。
 本来、画像処理用に作られたGPUが、
機械学習やディープラーニングで象徴されるAIコンピューターの心臓部に最適だとわかったのです。
 そういうわけで、NVIDIAは、
ゲーム部品の会社から、AIコンピューターの主役になったのです。
 つまり、時代は、CPUコンピューティングではなく、
GPUコンピューティングの時代になったのです。
 このままでは、コンピューティングの主役は、GPUであり、
CPUはオマケのような存在になってしまうかもしれません。
 さて、CPUとGPUの構造的な違いは、コアの数です。
一般的なCPUでは、コアの数が4から8ぐらいだと思いますが、
GPUにおいては、数千になります。
 もちろん、こんなにコアが多いと、大きな熱を発生させます。
そういうわけで、CPUよりも、GPUの方が熱の発生量は大きいのです。
 そもそも、GPUは、3Dゲームや動画を楽しむために開発された専用半導体であり、
CPUのように、何でもできる汎用の半導体ではありませんでした。
 ところが、GPUが高性能化してくると、
汎用という分野でも、最初から汎用に設計されたCPUを上回るようになり、
GPUが、CPUのような仕事も引き受けるようになったのです。
これを「GPGPU(General-purpose computing on GPU)」と言います。



































































































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